昔から面影がある?

「面影がある」って言葉あるじゃないですか?

あれの使われ方に違和感を覚えることがたまにあって、

たとえばテレビとかでタレントの幼少期の写真を見たときに

「面影あるね~」

っていうコメントをする人が結構いるんですけど、あれって正しいんですかね?

僕の感覚では、今の姿と昔の姿を見比べたとき「今の姿」に「昔の姿」が残っていることを「面影がある」って言うものだと思ってるんですけど、

「昔の姿」を見て、このままいくと確かに「今の姿」に成長していきそうだな~っていう感覚を「面影がある」って呼んでる人けっこういないですか?

だから、昔の写真を見て、そのあと今の姿を改めて見て、「(今の姿に昔の)面影あるね~」って言ってるなら分かるんですけど、どうもそうじゃないような気がするんですよね。

「昔から面影あるね~」とか言ってたりすると、完全に(僕の感覚とは)違うなって思います。

 

別の場面で「面影がある」っていう言葉を使う状況として、よく知ってる人の親を見たらやっぱり本人に似てたっていうパターンがあると思うんですけど、

あれは親という「時系列として先にあるもの」(つまり昔の姿)が、子という「後にできたもの」(今の姿)に形を残しているということなので、子ども本人に「(お父さんやお母さんの)面影があるね」って言いますよね。

これを親に向かって「お子さんの面影ありますね」って言う人はあんまりいないと思います。

 

 そうするとこの二つの状況で使われ方が違うっていうのは違和感があるので、どちらかに統一するとしたら「今の姿に昔の面影がある」っていう僕の感覚のほうになると思うんですけど、実際の用例としてはどっちも結構あって確信が持てないんですよね。

手近な辞書を見ても「あるものを思い起こさせる顔つき・ようす。例:目もとに父親の―がある。」(デジタル大辞泉)としか書いてなくて、載っている例は理解できるやつだけど本文に明確にどう使うか書いてるわけじゃないっていう。

 なんかどこかにわかりやすく説明してくれてる資料とかないかなって思いながら特に詳しく調べたことはないんですけど、もし何か心当たりがあったら教えてください。よろしくお願いします。